この記事では、
2022年2月5日~6日にかけて行われたトレイルフェストランニングカンパニー主催の京都ラウンドトレイルについて、
全体概要と、ペーサーをした自分が走りながら自分の経験値として得たものと、
走りながらイベント全体を見て感じたことを
主催のタグゾウさんと一緒に働いた歴が長い自分だからこその視点で振り返って生きたいと思います。
おそらく、
【今後トレイルフェスト主催のイベント、練習会、大会に参加を考えている方】や、
【タグゾウから急に無茶振りメッセージが来てイベントを手伝って欲しいと言われた方】、
【今回イベントに参加された方】、
にとって役立つ情報があるかと思いますのでご参考に読んでいただけると嬉しいです。
多少厳しい表現で書いているところもあるかと思いますが、
バカにしてたり見下しているわけではないのでご容赦願います。
(タグゾウと一緒に働いていたら、言うところはキチッと言う癖が身についてしまいました。。。)
イベント概要
https://moshicom.com/61506/
こんな感じでモシコムで募集されていました。
トレフェスイベントで要注意なのは、イベント募集開始時と内容が変わることが良くあるということです!笑
ただそれは、手を抜いてるとかそういうことではなく、
今回大きなところで言うとエイドの廃止。
ボランティアの方を確保しても、前日に「濃厚接触者になっていけなくなりました」が続出するリスク回避するための苦渋の決断でした。
(実際に主催大会でそうなって痛い目を見ました。。。)
クオカードでいくらか渡すのでそれでコンビニ補給でお願いします、
というのは面白い試みだったと思います。
実際に参加された方はこれはどう思ったんでしょうね??
リアルな感想が気になるところです。
僕がペーサーをした2B班はどうなったか
112kmD+5100m23時間のペーサーをさせてもらうことになった僕ですが、
何を隠そう、100マイルレースを何回も完走している猛者、、、ではなく、
100マイルなんて距離レースでも練習でも走ったことございません!
なんならレースの最長は信越110kmD+5000m!
(そんときもロングなんか走ったことも無くぶっつぶれて18時間以上かかってたような。。。笑)
これだけを見たら、、、圧倒的なスペック不足!笑
今回のペーサー陣で最弱。
ただ、僕のハッタリかますレベルはそんじょそこらのやつとは一線を画しております。
こういうイベントでペーサーするときに大事なのは、
【圧倒的な安心感とクソおもろそうな雰囲気作り】
と勝手に思っています。笑
なので、ここのコースは良く知ってますから!
と言いながら思いっきりロストしても、
「こういうところほどミスりますよね~すみません!」
とか冗談言いながらとにかく僕にペーサー任してもらったら大丈夫だからね、という雰囲気作りをします。笑
あとは、日本で一番タグゾウイベントの性質を理解している
それに尽きると思います。笑
元々予定では11名を僕1人で見る予定だったのですが、
8名を2人で見ることになってました。
(60キロくらいでもう1人の方は3班を見ることになり途中からは1人ペーサー。)
その班の前を引っ張りながら、基本的にまずすることは、
班員全員の走力確認です。
今までの経験上、走力と班が合っていない方がいることが多々あり、
大体その人が序盤から頑張りすぎて、問題勃発して班全体が機能停止。
こういう失敗が僕が過去ペーサーした班のみならず、いつのイベント、どの班でも起こる問題です。
なので僕が具体的にするのは、始めの50kmくらいを基本的に少し早めのペース感で走ります。
そこでペースについていけない人は、このままいけるとこまで頑張るか、リタイアするか考えてもらいます。
特に今回は一番ゆっくりの26時間ペース班のスタート時間が早く、
僕の2B班が一番後ろの班としてスタートしたので、後ろの班に下がりますということができなかったのが申し訳なかったです。
これをきっかけに自分がどれくらいの走力なのかな~、
時速どれくらいでなら110km走り切れたかな~と考えるきっかけにしていただけると嬉しいです。
50~60キロくらいちょっと早めに走ったら、後は時間的余裕もできて、
そこまでそのペースで一緒に走れたら、どこかを痛めたり、突発的な怪我をしない限り一緒に時間内完走はできます。
ここからすることは、ちょっとペースを落ち着かせて(大体想定タイムどおりくらい)、
いろんな人と話す時間を増やしていきます。
その理由は、
今痛いところは無いか、食べられているか、
そして、喋ることでしんどさ眠さを紛らわせる。
そうしながら、今までこんな雪深いときにイベントあったかな?
と思うくらいの比叡山や、愛宕山を乗り越えて、
8名が最終5名にはなったのですが、
全5班中で唯一予定していた時間内で、正規のルートを走った班となりました!!
僕は班員に恵まれやすいのか、皆さんとっても走りやすい方ばかりで、
自分の走力を把握した上で、もうチョイいけます、ここでやめときます
という意思疎通がスムーズにやり取りできてとても助けられました。
最初は、
「送られてきた設定時間よりちょっと早いですよ!」
「これ飛ばしすぎじゃないですか!?」
と班員の方に言われまくってましたが、
僕は毎度のことなので、
「大丈夫です!あの設定ペース適当ですし、
今皆さんの顔色、息の荒れ具合聞きながら走ってるんで、そこまで飛ばしていません。」
と、とにかく文句をいなしていきます。笑
比叡山降りる60キロくらいの時には、
班員A「ほら、これやからトレイルフェストのイベントはキツイって言ったやろ?」
班員B「ホント、、、こんなキツくて最初から飛ばされて、完走できるかわからんわ。」
最終的に、この班員Bの方、
「この班でよかった」
を100万回くらい言いながら走ってくれて、僕はご満悦でした。笑
僕個人的な学び
実は、、、謎にこの日スタートから僕は体調が何か良くありませんでした。
車で送ってもらっているときに下向きながらテーピングして車酔いしたのか気持ち悪く、
お昼ごはん食べられないままスタート。
そして15キロ前後で足の色々なところが攣り始めました。笑
「おいおい、さすがにトレイルの練習してないからってこれはないでしょ。理由は何かな。」
と色々試しながら、おそらく脱水であると突き止めました。
①前日にお腹を下していた。
・・・そこからちゃんと水分摂取した記憶なし。コーヒーとかは飲んでたけど。。。
②チャレンジャーという粉末のスポーツドリンクのみで給水してたのが×
・・・水分補給には指摘水分補給域というのがあり、水分の補給を妨げないで、糖質も同時に摂取できる適切な領域があります。
それが1Lあたり60~80g。このチャレンジャー、500mlで溶かしてくださいとありますが、糖質70gです。
商品として×なのではなく、これは液体のカタチをしたジェルなんです。
それをすっかり忘れて、僕は1L分それしか持ってなかったので、体的には37キロ地点のコンビニまで給水なしという状態でした。笑
こういうことを走りながら考えて、上手く立ち回ることができたのはすごく大きな学びでした。
後は相変わらず、走りながら食べることに関しては胃腸が気持ち悪くても、食べること大好きな僕は食べられることがわかりました。
ただし、青汁の粉末を飲んでから食べるというレースでは欠かさないルーティンを今回も守ったので何とか食べられました。
実際、お昼食べられてなかったので22キロのコンビニでバウムクーヘンと親子丼を流しこんで、
37キロのコンビニでカップラーメンのビッグサイズとクッキー、
66キロ地点のコンビニでデミグラスオムライス、おでん2種、クッキー、チャーハンおむすび、
86キロ地点のコンビニでトン汁とおにぎり、羊羹、
等などとにかく食べたい!と思ったものをがっついていました。笑
装備面に関して言うと、
サロモンのミッドカットの防水トレイルシューズがいい感じで走りやすく、雪でも問題なかったものの、
ロングトレイルには不向きでした。
実際のシューズはこれ!めっちゃかっこよくて雨の日、雪の日の普段履きになりそう。笑
20~30キロくらいの雪山を楽しむのにはとてもいいと思いますが、
70キロで雪が5~6キロくらいのトレイルだったら、
「雪に濡れなくて安心!」
じゃなくて、「蒸れて結局足しわしわ!」でした。笑
結局ドロップバックに念のために置いてたトレランシューズに履き替えられて良かったです。。。
後は昔使っててどっかへ無くした、ウルトラスパイアの腰ベルト、また買っちゃいました。
やっぱり頭と腰にライトあるのめちゃくちゃ見やすくて安心ですね。
比叡山の下り、気持ち悪さが無くなってテンション上がってしまって、少しだけぶっ飛ばしてしまいました。
他の班の状況を無線等で聞いて僕がその班のペーサーだったらどうするか想像してみた
ここの章では、僕が思っているトレフェスのイベントでペーサーなどを頼まれたときの僕なりの対処法をまとめたいと思います。笑
1班(20時間で走るグループ)は大体優秀で、問題はほとんど起こりません。
起こってもたいていが、
「僕のレベル不足でした。ここでやめます。自力で帰ります。」
とすごく冷静に自分を見て、自分で対策して、自分で帰るように行動してくれます。
毎回、トレランの集団走で問題が起こるのが多いのって一番後ろの時間の班なんです。
今回も一番ゆっくりのチーム(今回で言うと26時間の3班のA班、B班)が大変そうでしたね。
人数も15名前後とかなり多く、
エイドがなくなったことによってコンビニで滞在する時間が長くなり、
目標時間通りになかなか進めなかったと容易に想像ができます。
しかもこれは僕の経験上なのですが、このイベントの一番ゆっくりのチームに申し込む方って
①100キロ越えが人生初挑戦でどれくらいで走れるかわからないからとりあえず一番遅いところにエントリーした
もしくは、
②(100マイルの完走有無関係なく)100キロ越えは何度も経験があり、26時間動き続ける練習をしたくてエントリーした
の2パターンがほぼ全てだと思います。
これってパターンとしては2種類ですが、走力としてはめちゃくちゃ差があるんですよね~。。。
②のパターンの人は超安心です。
ロングにも慣れていて経験もあるので、淡々と動き続けられるし、
問題の対処の仕方もある程度自分でできます。
難しいのが①のパターン。
短いのはめっちゃ速いけど、ロングの経験は無い人も、
どんな距離のレースでもとにかく完走が目標!という人もここのグループに入ります。
わかりやすく言えば、
初対面で全然素性わからない老若男女、
サブスリー~フルマラソン完走くらいのレベルの人まで全てを、
110キロ以上26時間ずーっと、
安心安全になおかつそれぞれのレベルの方に満足感を与えながら、
トレイルランニングさせてあげなければならない
こんな感じですよね。笑
・・・
そう、勘の鋭い人ならわかりますよね、、、
「これ、無理ゲーやん」
そうなんです。
かくいう私もその昔、一番ゆっくりのペースのペーサーをしたとき、
意気揚々と今回と同じように少し速めのペースで走って、ふるいにかけたときもありました。
そしたら、班の半分以上がリタイアして、
問題は起こらなかったものの、
「せっかく遠くから来てくれた人もいるのにこれで良かったのか?」
と虚無感にさいなまれたこともあります。
じゃあ、今回大変そうだった3班のA、Bはどうしたらよかったのか。
「答えは無い」
それが答えだ!笑
とはいえ、それだと面白くないので、僕ならこうしたかな~という事例をあげておきますが、
僕はその班を終始引っ張っていたわけではなく、
ただただ無線で聞いてたことや、3A班3B班を抜かせてもらった時に班員の方の顔つきを見ての判断なので、
超無責任な物言いになると思いますが、そこはご容赦ください。
検討材料として、下記のように考えました。
1.途中から僕と一緒に同じ班でペーサーしてた方が3班のペーサーを自ら考えて移動してくれた(60キロ地点)
そのことで3A班3B班ともにペーサーが2名ずつになった。
→ということは問題が起こっても2名いればどちらかが対応してどちらかは班を動かし続けることが可能。
ひと班に2名つけられる安心感たるや!
2.60キロの地点までに動き出せばかなり走力差があって、間延びしまくっていた。
ということは、止まって待っては動き出しての繰り返しだったと想像できる。
→この班で走力ある人ほど止まって冷えて、動き出して止まってまた冷えてを繰り返すと、
その冷えに対処したりという経験値が少なくそれで消耗して走れなくなってしまう。
さらに、後ろの人も必死に走ってそもそも遅れをとってるので、全然余裕は無い。
しかも離されて焦るし、追いついたと思ったらすぐ走り出すからマジしんどい。
班が間延びするときほど、ケガのリスク、問題起こる高い。
3.60キロ地点のコンビニでジャストオンタイムで走っていた
→ペーサーしてるとわかってくるんですが、このままやとどんどんみんな遅くなるなぁ~、
時間遅れ始めるよな~ってのがわかってきます。笑
上記の3点を踏まえて、僕なら、
60キロくらいの比叡山降りたとこのコンビニのところで、
「新3A班(元気で112km全コース走れそうな人)と、
新3B班(どこまでいけるかわからないけど今ここではリタイアしません!の人)に分ける」
ということをしました。
あとは、男性2名が同じ班で、女性2名が同じ班でペーサーをしてたので、
それも僕は男女1名ずつのペーサーにして、続行したと思います。
それでどうなったかは知りません!
これは答えではなく、僕が3班のペーサーで
【圧倒的な安心感とクソおもろそうな雰囲気作り】
をしながら、
日本で一番タグゾウイベントの性質を理解している
僕だったらどうしたかということを考えたまでです。笑
何でこんなことを書いてるかって?
だって、
「タグゾウマジで放任主義過ぎるから!」
です。笑
ほんまに、任せたら任せっぱなし。怖いくらい。笑
だから、やりたい放題やったらいいんです。
やりたい放題やらせてくれるんです。
任された人は何でもしていいと許可されてるんです。
信頼されて任されてるんです。
たまに誤解されますが、
「マジで無責任な放置プレイ、無茶振り」
とは似て非なるものなのでお気をつけください。
じゃあ何が、
「信頼の上にある放任主義」
と
「ただの無責任な放置プレイ」
を分けているのか。
これも、日本で一番タグゾウイベントの性質を理解している僕の推測ですが、
①最終的にはタグゾウが責任を取ってくれる
②本質からずれていないか
それだけです。
①はそのまま、主催者が責任とってくれるので各自任されたなりに考えてやったらいいんです。
問題は②です。
何が本質なのか。
このイベントで「ペーサーが考えるべき本質、本筋は何か」というと、
「1.安心安全に山を楽しんでもらい、
2.実践的なこと(ペース感や装備等)を走りながら学び、
3.払った対価以上のものを持ち帰ってもらう。」
と僕は勝手に思って走っていました。
おそらく、タグゾウも遠からずのことを思ってペーサー依頼してるかと思います。
ただ、これを直接言ってくれないのがタグゾウです。笑
「時間通り参加者の人を引っ張って走ってもらったらOKです」
くらいのメッセージしか来なかったのでは?笑
その時々で、
「むむ、この僕(私)の立場で、掴んでおかなければならない本質とはなんだ!?」
と考えて、
これだ!と思ったことがあればそのままやればいいのです!
で、何か起こっても、
「僕はこう思って、こう行動しました。」
と言えればそれでタグゾウ的にはOKなのです。
また何かしら依頼が来るでしょう。笑
やばいことが起きても、最終的にはタグゾウが尻拭いしてくれます!ご安心ください。笑
なので、ある程度ふるいにかけながらも、いかにそのときのメンバー全員で制限時間どおりに想定のコースを走れたかを楽しんでいる僕みたいなペーサーがいたり、
下りや登り講習を織り交ぜながら、参加者を楽しませてくれるペーサーがいたりするわけです。笑
ただ全員に共通することは、
「参加者の方々の安全を第一に考えていること」
「(僕以外)TJ戦士だったり、100マイラーだったり、大会上位入賞常連者だったり、何かしら走ることに関して百戦錬磨の猛者であること」
です!
(僕はトレフェスの昔のよしみ枠です。もしくはしゃべり枠。笑)
なので、参加される方はぜひ参加者とも、
ペーサーの方とも交流して、知識や経験をパクっていって欲しいです。
まとめ
いつもどおり長々と書いてしまいましたが、まとめるなら3点!
1.トレフェスのイベントは怖くないよ!
トレフェスのイベントはキツイ、厳しい、怖いと言われますが、
山に入る上では最低限のことをちゃんと、キチッと言ってたり、やってるだけなのですが。。。笑
今回ちょっとブログにまとめてみて、どんな感じか少しわかっていただけたでしょうか。
2.ちょっとしたチャレンジの先に大きな経験値がある
僕も100kmオーバーのイベントずっと引っ張れるかなと少し不安でしたが、
何とか皆さんを無事に走り切れて大きな経験となりました。
参加者の皆さんも走り切れるかどきどきしながら当日を迎えて、
いけた、いけなかった、あると思いますが、大きな経験を得た方が多かったのではないでしょうか。
その経験を積んでいった先に、トレイルランナーとしてより成長した自分があると思います!
そのチャレンジをトレイルフェストはいつまでも応援してくれると思います。
僕もトレフェスのお手伝いをしながら、皆さんのサポートをまたできるのを楽しみに自分を鍛えておきます。
3.次はペーサーご指名ください
次、イベントご参加するときは、「ペーサーは荘司さん希望で」
とご記入ください。
そしたら、僕の耳に届くこともないし、僕にはならないと思いますが、
多分、あなたに近いうちに良い事が起こるでしょう!笑
良いことばかり書いてても面白くないので、最後は適当に冗談で終わりたいと思います。
こんなランニングパーソナルトレーナーの僕ですが、
よければパーソナルのご指名はお待ちしております。笑
ではまた!